ことば

 

年頭の挨拶「光明遍照」

「はげみ」

 

    浄 土 門 主

   総本山知恩院門跡

        伊藤唯眞猊下

 

 

 なにごとも成就するには「はげみ」が必要です。法然上人は身近な例を挙げて、一丈の堀を越えんと思はん人は、一丈五尺を越えんとはげむべしと述べておられます。目標の数値をより高く定めて励んだならば、当初の目的は容易に達せられるのです。信仰の面でもこれと同様のことがあります。

 上人は右の言葉に続いて、念仏者に対して。

 

 往生を期せん人は、決定の信をとりてあひはげむべきなり

 

と申されています。往生極楽を願っている念仏者は、なにはさておき、往生させていただけることは必定だとの不動の信念を確立するのが大事で、その上で念仏を励んでいかねばならない、と仰せになっています。

 

 堀を越える人の場合はわが身の力を励ますのですから、空しい結果になることもあります。しかし念仏者の場合は、「弥陀への決定の信」が根基となって出る力ですから、「仏たのむ」の南無阿弥陀仏のお称えのはげみが、自然と[往詣楽邦」=お浄土へ参らせてもらうこと=になっていきます。

 

 「鐸 声」

 

                       浄土宗新聞 令和2年1月号より転記

 

 新年を迎え、誰もが平穏に暮らせることを祈る。昨年まで次々と幾多の災害があった。未だ生活再建できずにいる多くの方々の生活の復興を祈る。他人事ではなく切実な思いとして。今年はどんな年になるだろうか

 

 ◆4月の知恩院御影堂落慶法要では、全国から檀信徒が御影堂に集い、お念仏の声を響かせるだろう

 

 ◆7月からは東京五輪が始まり、5年後の令和7年には大阪・関西万博が開かれる。前回の東京五輪(昭和39年)から大阪万博(昭和45年)までの再現を願っているように。但し当時の日本は高度経済成長期の真っ只中だった

 

 ◆令和6年「浄土宗開宗850年」を迎えるのも4年後になった。この年は日本にとって大きな転換点になると言われる。初めて50代以上の人口が全人口の5割を超えるのである

 

 ◆「人間五十年」(幸若舞『敦盛』)と謡ったとされるのは源氏の武将熊谷直実。自分の息子と同じ16歳の平敦盛を討ったことが出家の一因となった。50歳を少し超えた直実は、法然上人に弟子入りし熱心な念仏者となった

 

 ◆現代は「人生100年時代」ともいわれる。50歳を超えたところで、まだ後半生の始まりだ。以前とは違う長い人生を送る上でも、お念仏の信仰は私たちの大きな支えとなるに違いない。





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