ことば

 
 「鐸 声」
浄土宗新聞 令和3年10月号より転記 
 ◆10月から11月にかけて営まれる浄土宗の法要に十夜法要がある。正式名称は「十日十夜法要」だが、その典拠は『無量寿経』の「ここにおいて善を修すること十日十夜すれば、他方諸仏の国土において善を修すること千歳するに勝れたり」の文にある。妨げの多い娑婆世界で10日間善を実践する方が、環境の整った仏国土で千年修行するよりも勝れているという。
 ◆だが、その10日という期間も、歴史の中で5日に短縮され、さらには3日、ついに1日と極限にまで短くなった。どうも人間の煩悩は、面倒なことを何でも簡略化・短縮化する癖があるらしい。禅宗などで行われる『大般若経』の転読(転読大般若)もその一例。パラパラと折本を左右や前後に振ることで読んだことにする。またチベットの摩尼車もI周回せば、一切経をすべて読んだことにする。
 ◆煩悩ゆえに仕方のないことなのかもしれないが、法然上人はそんな煩悩まみれの我々凡夫でも実践できる「十念/一念」の念仏の教えを授けてくれた。その法然上人に報恩感謝の誠を捧げ、たとえ1時間でもお十夜の念仏に励もう。
 
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