ことば

 
 「鐸 声」
浄土宗新聞 令和3年1月号より転記 
 ◆京都の正月は、総本山知恩院の大梵鐘の音とともに明ける。17人の僧侶によって撞かれるこの梵鐘の音は。かつては京都太秦の辺りまで響いたという。
  ◆親綱を持つ僧侶は、子綱を持つ僧侶らの力を借りて撞木とともに大鐘に向かって倒れ込む。師走に行われる試し撞きの日は、梵鐘の下の小石を拾い、砂を掃きならすことから始める。親綱を持つ僧の「えーい、ひとーつ」、子綱を持つ僧もそれに続いて「えーい、ひとーつ」、声を合わせて「そーれ」で大鐘の音が鳴り響く。少しでもこの間合いがずれると大けがをすることがあると聞く。緊張が張り詰めた空間の中で、お念仏と108回の梵鐘の音が繰り返される。
  ◆多くの参詣者は、隣の八坂神社でいただいたおけら火の灯った繩を家に持ち帰り、それを種火に雑煮を炊き無病息災を祈っていただくのが京の風情である。
  ◆この108という数、所説あるが、私たちが日常的に繰り返す、怒り、むさぼり、愚かさを始めとする数え切れないすべての煩悩の数。鐘の音に乗せてこれをはらい、新たな気持ちで新年を迎えたい。
 
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